猫とビー玉

猫に振り回される幸せとドタバタ日常。自作のヘタ漫画をまじえて綴っていきます

もう一度読みたい本 『臨死体験』立花隆

ベンチの上の本

この本を手に取った理由

   

若いころ、生きている意味がわからず思い悩んだ時期があった。
もしかして誰かの役に立てば、私の人生も意味あるものになるかもしれないと考えて、職替えを真剣に考えたこともある。
これについては別の機会に書くとして、とにかく生きる意味について答えてくれそうな本を読みまくった。

 

 けれども答えは得られなかった。
どの本も、まるで歴史の教科書を読んでいるみたいだったのだ。時を遡りこの目でその時代を見るわけでもなく教科書の字づらを追うのと同じで、言葉だけがまったく実感をともなわずに通り過ぎていくだけだった。

 

 だったら、死がどういうものか理解すれば生きる意味も見えてくるかもしれない。
そう思って手にしたのがこの本だった。

 

 臨死体験とはなにか

この本は上下巻2冊。一冊が400ページを軽く超える分厚いものだ。
臨死体験って何?と聞かれたら、ぱっと頭に浮かぶのは「お花畑」「三途の川」「天使」などだが、簡単に言うと死の間際に見るビジュアル体験とでも言おうか。

これをもって死後の世界をかいま見た体験であるとし、臨死体験は魂の存在とその死後存続を証明するものであるとする人がいる。他方では、臨死体験というのは、生の最終段階において弱りきった脳の中で起こる特異な幻覚にすぎないとする人がいる。

出典元:『臨死体験』立花隆 著

 

上記の文章にあるように、死後の世界へ続く入り口なのか、それとも最後に見る夢のようなものなのか、一体どっちなんだ?ということを、数々の臨死体験者のインタビューをちりばめながら、精神医学や脳科学などあらゆる視点から考察していく。

実際に著者自身が隔離タンクというものに入り、意識が知覚や肉体的感覚から離脱する体験なども語られている。

 

 

 

この本の魅力

 

道の向こうに光が見える

 冒頭から最後まで豊富な体験談 

 この本の魅力は、なによりも圧倒的な数の体験談だと思う。
なかには「こんなのは作り話でしょ」と一蹴することが、到底できないであろうと思われる衝撃的なケースも語られる。

そして著者の、主題に対して肯定的にも懐疑的にも偏らないバランス感覚、常にニュートラルで緻密な分析力には、ただただ脱帽するばかりだ。

 

読み出したら止まらない

この本を読み始めて、私は寝食を忘れるくらい夢中になってしまった。
外出時にこの本を家に置いてきたことに気づいたときには、躊躇することなく最寄り駅から自宅までの10分を歩いて取りに戻った。電車に乗っている10分さえも、この本の続きを読まずに過ごすことができなかった。

 

恐怖心より好奇心

今でも死に至るまでの苦しみは相変わらず恐いが、この本を読んだあとは、死ぬ事自体を以前ほど怖いとは思わなくなった。
むしろ、その時どんな光景を見られるのかちょっと楽しみですらある。
そしてここでは書かないが、著者の書く最後の一行は私の心に突き刺さるものがあった。

 

最後に、この本を読んで生きる意味が見つかったのか?と問われたら、答えはNOだ。
やはり究極の疑問の答えは、誰かに教えてもらうものではなく、自分で見つけるものなのだろう。

  

 

 

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