猫とビー玉

猫に振り回される幸せとドタバタ日常。自作のヘタ漫画をまじえて綴ります。

おむすび編11. 押しかけ女房、潜入を試みるも失敗

 

うちの玄関に住みついたノラ猫のおむすびをナデナデした後、おむすびを残して家に入るのはつらいものがありました。

おむすびが、家に入りたいのかな?と思わせる様子をしていたからです。

 ほかのノラ猫は、目が合うとそらすけど


猫の目はビー玉のように透き通っている。
あの綺麗な目に全てを見透かされそうな気がして、今まであまり目を合わさないようにしてきた。

その甲斐もなく、おむすびはうちの玄関に居つき、その嘘偽りのない目で私をじっと見つめる。


動物と目を合わせるということは、ガンをつけるという意味もあるからよく、目を合わせちゃいけない、という。

おむすびが私に敵意をいだいているとは思えないけど、もう少し遠慮したら?と言いたくなる。

 

私とおむすびの攻防 

 

おむすびはよく玄関のドアの前に陣とって、通せんぼをする。
私がドアを開けて中に入ろうとすると、一緒に家に入ろうとさえする。
家に犬がいるとか、狂暴な先住猫がいるとか、想像もしないのか?
相変わらず警戒心のかけらもなく、一切の躊躇もない。

 

なんとか家に入ろうとする私と、それを阻止しながらも、あわよくば入ろうとするおむすびとの攻防が毎日のように繰り広げられた。

猫に家には入れないと言う女

 

だけど私は、おむすびを中に入れるようなへまはしなかった。
自分でいうのもなんだが、そういうところは抜かりないのである。

 

まるで押しかけ女房

 

ところが、いつものようにキッチンで食事の支度をしていた時のことだ。
玄関のドアの開く音がして、夫の三太の話し声が聞こえた。
帰ってきて早々、一体誰と話してるんだ?と思って出ていってみると、三太が入ってきてしまったおむすびをひょいっと持ち上げて、外に出そうとしているところだった。


三太よ、また君の甘さが招いたミスだな、と思いつつ、成り行きを見守る。
三太に持ち上げられたおむすびは、間抜けな顔で外に連れて行かれた。
その時私の脳裏に浮かんだのが「押しかけ女房」という言葉だった。

 

玄関の外に出されたおむすびはさぞかしガッカリしたことだろう。
大の猫好きとなった今では、あんなに可愛い押しかけ女房が入ってきたら、追い返す自信は100%ないのだけれど。

 

人間がごまかせると思っていることを猫は見逃さない。
生垣の向こうで息を殺して隠れていた私をも見逃すことはなかったし、猫の嗅覚や聴覚は人間よりずっと精度が高い。


あの透明なガラス玉のような目にはどんなものが見えるんだろう。
目に見えないもの、それこそが一番大切なものだけど、その大切なものを見抜く目も、人間より優れているのかもしれない。

 

そして多分この時には、もう私や三太の心をつかんでいることを、おむすび自身は見通していたのかもしれない。

 

 おむすび編.12に続きます

 

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