猫とビー玉

猫に振り回される幸せとドタバタ日常。自作のヘタ漫画をまじえて綴ります。

おむすび編10. オッサン猫にご用心

 
のほほんとしているように見えるおむすびですが、やる時はやります。ちゃんとアンテナ張ってます。
 

またまた出現、オッサン猫

 

この年の夏は2階の窓から玄関を見下ろすのが日課になった。
おむすびが来ているか、居たらどんな様子か見るためだ。とにかくおむすびが気になってしょうがなかった。
 

窓の外を気にする


朝一番に窓から見下ろすと、ここで一夜を明かしたと思われるおむすびの長い尻尾が、門柱に覆い被さった木の枝や葉から出ていて、ぶらぶらと振られているのがよく見えた。
 
その日有給をとって家にいた私は、何度か窓から外をのぞいた。
車の脇の狭いスペースに、数日前おむすびを威嚇していたオッサン猫が、上半身仰向けになって毛繕いしていた。
その様子はオヤジ然としていて、「あごの下に舌が届かねえんだよなぁ」なんて言っていそうだ。
確かこの前も三太があのオッサン猫を追い払った、って言ってたっけ。
その時、おむすびが前の通りを我が家に向かって歩いてくるのが見えた。

なんて間が悪いんだ。気楽なオーラさえ漂わせながらのんびりとやってくる。
私は心の中で「戻れーっ!」と叫んだ。

と、私の声が届いたんだろうか、おむすびは立ち止まったのである。
そして怪訝そうに車の方を見やり、見事な洞察力を働かせた。自分が見つかる前に毛繕い中のオッサン猫の存在に気づき、即座にきびすを返した。
 
オッサン猫の方はと言うと、相変わらすオヤジスタイルで毛繕いに余念がないようであった。

その後、あの2匹が鉢合わせしたらどうしようと気が気でなくて、何度も窓から外を覗いた。まるで過保護の母親のようだ。
その日はそれきり、おむすびが現れることはなかった。
Kさんのところへ帰ったんだろうか?
気になる。
 

野良猫は好きでノラに生まれてきたわけじゃない

 
うちの庭に、たまにドカンとウンコがしてあることがある。それがくさいのなんのって。
そのたび私は「ったく!どこの猫だ?!」と憤る。
私はこの犯人が、あのオッサン猫ではないかと目星をつけていた。現場を押さえたわけではないので確証はないが。

とにかく、おむすびのではないことははっきりしている。このあと、おむすびのウンチを毎日片づけるようになった私は、明らかにその形状の違いにホッとしたしたからだ。
だけどよく考えれば、あのオッサン猫だって好きで野良猫に生まれてきたわけじゃない。

私たちがよくみかける野良猫たちは、人間が飼いやすいように改良されたもので、ヤマネコなどの野生とは別ものなのだ。
だからもとをたどれば、人間と共生するように改良しておきながら、
無責任に猫を捨てた人間が悪い。
ウンコを責めて野良猫を責めるべからず。でもやっぱりくさーい。
 

おむすびがいないと寂しい

 
夜三太が帰ってきた。
聞きもしないのに「今日あの猫(おむすび)Kさんのところに居たね」と言う。
ここのところおむすびのことが話題にのぼらない日は無かった。
良かった、と胸をなで下ろす。
私が気にしなくても、たくましく生きてるんだと自分に言い聞かせる。
 
夜の11時頃、庭に出てリビングに戻ってきた三太が言う。「あの猫、いないね」
やはりいないと寂しい。

なんだろう? この淋しさは。
でも家に入れてあげられないんだから、淋しがる資格はないよね、と思った。
 

玄関に寝る猫

2階の窓から見下ろすとおむすびが寝ている

 

 おむすび編11に続きます

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