おむすび用ベッドでウトウトするおむすび
いつも人の寝場所を奪おうとするユズ
臆病
私は幼い頃、極度の人見知りだった。
だから、幼稚園時代は友達がいなかった。
よく覚えていないが、多分いつもひとりだったと思う。
この頃の思い出はほとんどない。
幼稚園が建っていた丘には、コスモスがたくさん咲いていた。
この頃の唯一の思い出は、他の園児たちがワイワイ楽し気に遊んでいる時、私はコスモスの中にぽつんと座っていた、という記憶だ。
私は幼心に「このままではダメだ」と思ったらしい。
小学校に上がったのを機に、自分をガラリと変えた。
人見知りをやめて、本来の自分を出すようになった。
おしゃべりになり、クラスでキャーキャー騒ぎ(今考えるとウザいけど)、仲良しグループ以外のクラスメートや誰からも話しかけられないような子にも臆せず話しかけた。
幼稚園時代の私を知る男子には「お前変わったなぁ」と言われた。
社会人になると、学生時代のように気の合う友人と付き合っていればいい、というわけにはいかなくなる。
合わない人とも関わっていかなければならない。
その頃から、私は意識的に人との距離をとるようになった。
不用意に傷つきたくなかったからだ。
行動を変える、ということは比較的易しい。
深く考えなければ、できてしまう。
でも本質的は部分は、なかなか変えられない。
人見知りも、用心深さも、多分私の臆病さからきている。
一番変えたいのはこの臆病さなんだけど。
やっぱり、三つ子の魂百まで、なんだろうか。
その言葉を思い出すたび、私の脳裏にはあの日のコスモスが思い浮かぶ。
就寝時のひとこま
おむすびは、自分だけのベッドを持っていた。
毎晩寝る前に、私はそのベッドでおむすびを寝かしつけた。
おむすびが寝つくと、私もふとんに入った。
でも私がうとうとし出した頃に、必ずおむすびはふとんに入れろとやってきた。
ユズも人と寝るのが大好き。
だから毎晩、誰がベッドのセンターを陣取るか競争だ。
タッチの差で、ユズが先に場所をとる。
なぜかお尻はこっちを向いている。
しっぽが邪魔。
踏んでしまいそうなので、どける。
ユズは不満そう。
たかがしっぽ、されどしっぽ。
それでも窮屈なので、少しベッドの隅に移動してもらう。
上機嫌だったユズのご機嫌が、少し悪くなる。
その証拠に尻尾がぱたぱたしている。
しばらくの間、ユズのご機嫌をとるはめに。
臆病だけど、ヘソはしっかり曲げて自己主張。
そこがまた、自分に似ていて可愛い。
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