御多分に漏れず、おむすびは夫の三太や私にくっついて寝るのが好きだ。
お上品に寝たいが、現実は厳しい
私はガサツなくせに、誰かが同じ布団にいるだけで眠れなくなる。
なのにいったん熟睡してしまうと、いびき、寝言、歯ぎしりまでして周囲にえらく迷惑をかけているらしい。(あまり考えたくない事実)
三太の話によると、ある夜のことさて寝ようと寝室へ入ったら、寝ていたはずの私がむっくりと起き上がり、
「あの緑色に光ってるのはなに?」と尋ねたそうな。
「エアコンのランプだよ」と答えたら「フン」と言ってすぐバタンと眠ったと言う。
全く覚えていない。
そしてとどめは寝相の悪さ。
敷布団を枕にして床で寝ていたこともある。
そんな寝相の悪い私は、おむすびを蹴とばしたり押しつぶしたりするんじゃないかと思うと、おちおち寝られやしない。
毎日寝不足である。
寝不足対策は専用ベッド
そこで私たちは、おむすびが自立して寝てくれる方法を考え出した。(考え出したなんてたいそうなものじゃないんだが)
おむすび専用のベッドを作ったのだ。
三太のベッドの脇に衣装箱を置き、その上に折りたたんだ羽毛布団を置いてベッドと同じ高さにして出来上がり。
これならいつも隣で三太が寝ているから淋しくないだろう。
おむすびの身の安全を考えれば、それを私のベッドの隣に置くことは愚の骨頂なので、選択肢は三太の隣しかなかったというわけだ。
毎晩私が先に寝るので、はしゃぎながら寝室についてくるおむすびを寝かしつけるのは私の役目だ。
おむすびを専用ベッドに乗せて、撫でたり話しかけたりしていると、だんだんおむすびはうとうとしてくる。
「そこから動いちゃダメですよ、ずっと見てますからね。」
やっと目をつむって寝息を立て始めたら「また明日ね」とそっと声をかけて私も自分のベッドに入る。
この「また明日ね」と話しかける時、なんとも幸せな気持ちになる。
また明日起きれば、この猫がいてくれる、と思うと単純にうれしい。
がしかし、
私が気持ちのよい眠りに入ろうとする頃、決まってあちらの方から「ゴロゴロゴロ」という音が聞こえてくる。
そしてその音が大きくなってきて、だんだん近づいてくる。
ゴロゴロを発しているのは、もちろんおむすび。
むむっ、的確に私の寝入りばなを襲ってくるな・・・。
まるで水の上を歩くように、波打つフトンの上をゆったりと歩いてくる。
後光を浴びて、なんだか神々しいぞ。
注)私は無宗教です。
こうして三太のベッドを横切って、私の布団に入る。
もうちょっとで寝られるところだったのにな、それにしてもこのゴロゴロ大音量だな、と思って見下ろすとつぶらな瞳が私を見上げている。
注)実際は私に超密着しています(苦しい・・・)
ひゃーっ、かわいい。
まぁそういうことで、せっかく設置したおむすび専用ベッドは朝まで通しで使われることはなく、仮眠用ベッドに成り下がったのであった。
おむすび編28に続きます
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