ネズミさんと遊んでひと休み、まだ幼さの残る頃のユズ
アオイのトライアルは決まったが、もう一匹がなかなか見つからなかった。
血液検査をしていない猫だったり、保護主さんにシャーシャー言う猫だったりして、どれも不安がぬぐい切れなかった。
それをアオイの保護主さんに話すと、知り合いの動物病院に保護された猫がいると紹介してくれた。
ユズとの対面
会社の帰り、一足先に着いて猫用オモチャを買った三太と駅で待ち合わせして、動物病院へ向かった。
受付で名乗ると、先生が奥から小さな茶色い猫を抱いてやってきた。
とても小さい茶トラのオス猫だ。
寝ていたようで、目がしょぼしょぼしている。
看護師さんは「最初はウーウーシャーシャー言って凄かったんですけど、仕事中ずっとポケットに入れてたら甘えん坊になりました」と言った。
少し前なら入るサイズだったんだろうな、と納得するほど小さかった。
これは、先生に連れてこられた眠そうなユズ。
私が抱くと固まって、時々見上げる顔がいかにも仔猫という感じで可愛かった。
あまりにも小さくて、ぎゅっとしたら壊れそうだ。
私の腕の中でもぞもぞと動いて、隙あらば逃げようとする。
膝に落ろすと、待合室のソファの背伝いをちょこちょこと進み、隠れ場所をさがした。
三太も抱かせてもらった。
(あの可愛さは衝撃だった、と三太は後々言うのだった)
仔猫は、たちまち人を幸せな顔にする。
この茶トラくんに決めるとしても、トライアル開始はいつにするべきか?
茶トラくんはまだ月齢2ヶ月半だ。
来週から1週間三太が休暇で家に居られるので、その1週間一緒に過ごしてみて大丈夫だと思えれば問題ないでしょう、ということになった。
不安は残ったが、保護主である院長婦人がそう言うのなら、大丈夫だろう。
話はとんとん拍子で進んだ。
仔猫ユズの入浴
仔猫の名前
猫たちの名前はどうしよう?
アオイは保護主さんがつけた「アオイ」で既に呼ばれていたのでそのままでいいね、ということになった。
茶トラくんは、まだ名前がつけられていなかった。
おむすびの時もそうだったけど、また三太が「名前は任せるよ」と言うので1日かけて考えた。
候補は「利久」と「ユズ」。
体が茶色いから茶色いっぽいものを考えた。ユズにはだいぶ無理があるけど。
私は「利久」押しだった。
だって利休饅頭の色と同じだったし、仔猫ながらオヤジ感をそこはかとなく漂わせていたから。
でも、三太が採用したのは「ユズ」だった。
「利久」押しだった私は少しがっかりした。
だってユズって可愛すぎる。
絶対オヤジな猫になると確信があったのに。
そんなこんなで、私たちはトライアルの日をバタバタと迎えることになるのだった。
読んで下さりありがとうございます
人気ブログランキングはコチラ
お手数おかけします