猫とビー玉

猫に振り回される幸せとドタバタ日常。自作のヘタ漫画をまじえて綴ります。

おむすび編33. 「100日後に死ぬワニ」を読んで思う

先日テレビで、twitterで話題になっている「100日後に死ぬワニ」という4コマ漫画を紹介していた。
作者はイラストレーターのきくちゆうきさん、早速59話分をまとめて読んだ。

 

 決して華やかではない、ありきたりな幸せ

 

アルバイトしたり恋をしたりするワニくんの毎日を、最後の100日までカウントダウンしていく形で、1日ずつ淡々と描いている。
そして最後に必ず「死まであと〇〇日」という言葉が添えてある。
どれも何気ないワニくんの日常。
そのありきたりな日常が、「死まであと〇〇日」という言葉で、じんわりと沁みてくる。

 

父が死んだ時、私は人ってあっけなく死んじゃうんだなと思った。
その時私は30代半ばだったが、自分ではまだまだと思ってるけど、いつ死ぬかわからないんだ、と思った。
それから、会社の帰りにきれいな夕焼けを見たりすると、生きている間にこんな夕焼けを、あと何回見れるんだろう?と思うようになった。

 

夕焼け以外に同じことを思うのは富士山。
新幹線に乗って、静岡に入ると窓にへばりつく。
富士山が見えると嬉しくなり、あと何回富士山を見れるんだろう?と思う。

 

おむすびが教えてくれるもの

 

おむすびはもとは飼い猫だったが、飼い主に捨てられて3年ほど野良だった。
その頃外で暮らしていたおむすびは、ゴミを漁り、人に食べ物をねだっていた。
氷が張るような真冬の夜にどこで寒さをしのいでいたのか、台風の日の荒れ狂う風と雨からどうやって身を守っていたのかはわからない。

  

ねそべる猫

夏の朝、アスファルトで涼をとるおむすび

 


近くには喧嘩っ早そうなノラ猫がいて、その猫にギャーギャー脅されながら必死に生きていた。
近所の人の話では、そのノラ猫にやられたのか、額から血を流していたこともあるそうだ。

 

うちの玄関におむすびが住みつくようになって、外でエサをあげていた2ヶ月ほどの間、食事中私がつきっきりでも、他のノラネコを警戒してカリカリはすべて丸呑みしていた。
ものすこい早食いだった。


そんなおむすびを見て、私は自分を恥じた。
この子はこんなにも、がむしゃらに生きている。
毎日どうでもいいようなことで不満を口にしている私ってなんなんだ?

 

綺麗な夕日が頭の上にあるのに、忙しい忙しいと言って足も止めない。
いつも、せかせか、せかせか。
ちょっとしたことで笑ったり、喜んだりすることのできる幸せがここにあるのに。


外で暮らすおむすびは、私にいろいろなことを教えてくれた。
だから、おむすびは私の大事な家族であり、(こんなことを言ったら笑う人もいるかもしれない、でも誰がなんと言おうと)私の師でもある。

 

そんなおむすびも、今は我が家の女王様だ。
こっちの都合などお構いなし。

 

トイレに割り込む猫

ブラシングしてもらう猫


私たちはずっとお仕えしますよ。


もう二度と、ひとりぼっちにはさせないからね。

 

 

 おむすび編34に続きます

 

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