猫とビー玉

猫に振り回される幸せとドタバタ日常。自作のヘタ漫画をまじえて綴ります。

東日本大震災の体験を忘れない おむすび編47

 

あの日、仕事中にそれは起きた。
いつもの金曜日が、それを境に経験したことのない金曜日になった。

激しい揺れが止まらない


職場でパソコンに向かっていたら、突然建物が揺れ出した。

 いつものようにすぐに収まるだろうと思っていたら、収まるどころかどんどん揺れが大きくなる。
居室の電気が突然消えて暗くなり、パソコンも落ちた。
周りのざわつきが大きくなって「怖い!」「机の下に潜れ!」という叫びがあちこちで上がった。

その後何度も激しく揺れたが、帰宅命令が下りたので急いで家に向かった。
電車は止まっていた。
停電で信号も消え、車もなく、しんと静まり返った住宅街を50分歩いて帰った。
夫の三太にメールを送ってみたが、届いているのかいないのかもわからなかった。

 

家で留守番する猫


うちには半年前に保護した猫、おむすびがいる。
我が家は地震だけには時間とお金を惜しまず対策しているので、なにかが倒れたり落ちたりなんていうことは絶対ないはず。
でも心配でたまらなかった。
50分の道のりを「おむすび、おむすび、もうすぐ帰るよ」とぶつぶつ呟きながら歩いた。

家に着いてドアをあけると、いつも必ず玄関までお迎えしてくれるおむすびがいない。
急いで靴を脱いでリビングへ行くと、コタツからおむすびが出てきた。

 

走り寄る猫

抱きつく猫


いつもはゴキゲンでたくさんおしゃべりするのに、あまり鳴かず私にべったりくっつく。
やっぱり怖かったんだろう。
とりあえずご飯をあげて、ちゃんと食べてくれたのでほっとした。

その後は、停電していたので何もできず、暗闇の中冷たいコタツでおむすびをお腹に乗せてじっとしていた。

夜の8時頃やっと電気がついた。
都内に勤務している三太は夜中の1時ごろ、途中で買った自転車を飛ばして帰宅した。

それから私の中で何かが確実に変わった


この震災を機に、自分があまりにも能天気に生きてきたことを思い知らされた。
被災された人たちが負った深い傷を思うと、言葉も見つからない。
私の薄っぺらい言葉ではとても語れない。

この震災を決して忘れてはいけない。
どれだけの人や動物が命を落とし、家族を失い、住居や故郷を失い、日常を失ったのか。
そして福島には今でも人の立ち入れない地域があり、原発の汚染水のタンクは2022年には満杯になる。

国は今、被災者の方々や、収束していない原発にどう対応しているのか?
日本のどこかで起きている他人事だと片づけずに、一人一人が考え続け行動していけば、子供たちの未来は少しでも明るくできると私は思う。

 

 おむすび編48に続きます

  

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