私の腕にしがみつくユズ
教習所の苦い思い出
私は20代半ばで車の運転免許をとった。
昼間は会社があったので夕方の定時コースにしたのだけど、そのコースにすると仮免合格まではひとりの教官にしか教えてもらえないシステムになっていた。
つまりこちらでは教官を選べないということだ。
そして私が当たったH教官は、教習所一の鬼教官だった。
初日、H教官は助手席で書類と運転席の私を見比べながら「この写真(私)いいよね~。見たときはヤッタ!と思ったんだけどね。写真"は"完璧なんだけどねぇ」とニヤニヤ。
確か私は、へらへらしながら「すみません」と謝ったと思う。
今思えば、謝った私もアホだった。
そんな風にへらへらしていたのも、最初だけ。
走り出したらH、本性を現した。
キュッとブレーキを踏んだだけで怒鳴りつけられた時は、びっくりしてしまった。
だって初日ですよ?
毎回彼はなにかしらに怒り、言葉(「縦列駐車のセンス"だけ"は抜群だねぇ、とか)でも、私をちょっとずつ傷つけた。
教習所で知り合った子に愚痴ったら「H先生?ここで一番こわいって有名らしいよ」と教えてくれた。
今思えば、あれもパワハラだったと思う。
私が仮免合格できるかどうかは、H教官の腹ひとつで決まるわけだから、若かった私には文句が言えなかった。
すっかり教習所に行くのが憂鬱になってしまったが、既にお金を払ってしまったので、仮免合格までなんとか耐えた。
路上教習では露骨に、H教官を一度も指名することはなかった。
晴れて運転免許がとれて教習所へ報告に行った日、ほかの生徒と談笑していた私にH教官が足早に歩み寄ってきた。
そして「おめでとう」とひと声だけかけて、去っていった。
今でもあんな教官、いるんだろうか?
それとも、昭和の遺物になり果てているのか?
猫ハラ
今の自分だったら「教官変えろ」と事務局に乗り込んでいるところだけど、唯一猫ハラだけは承っております。
猫ゴハンのあと、ユズは私を呼びつける。
私は料理を中断して、ユズのもとへはせ参じる。
長引きそうな予感がするので座る。
顔の前にお尻が突き出されたので、チェック。
今日は珍しくお尻がきれい。
はいはい、ぱんぱんぱん(叩く音)。
猫、やりたい放題。
頭を齧る気?
頭突きだった。
最後は膝の上に落ち着いた。
どうやって下ろそうかと思案していると、壁の向こうから突き刺さる視線が。
絶対見てるのです。
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