鈴虫寺
10年前 京都に行った時、鈴虫寺の前に長蛇の列ができていて驚いたことがある。
並んでいたのは皆20代か30代くらいの若い世代だったので、「本当にこれは寺に並んでいる行列なのか?」と不安になった。
連れと「なんでこんなに並んでるのかな?」と話していたら、前に並んでいる女の子に睨まれてしまった。
鈴虫寺に入って、やっと行列の理由がわかった。
ここは、名物住職の面白い法話で人気のあるお寺だったのだ。
法話を楽しみに並んでいる人にとって、ろくに調べもせずのほほんと並んでいる人間がいたら、睨みたくもなるのだろう。
法話の最中は笑いが絶えず、最後は僧侶らしいしみじみとした言葉で締めくくられた。
内容は忘れてしまったけど。
忘れられない 辛い過去は
先日、『10人のお坊さん』という番組を見た。
この番組は、決まったテーマについて複数のお坊さんたちが短い説法をする、というもの。
この時のテーマは『忘れられない過去』だった。
確かに、嫌なことほど忘れられないものだ。
何人かのお坊さんが説法をして、次のお坊さんが画面に現れた時「この人見たことある」と思った。「たしか鈴虫寺で説法していたお坊さんだ」と。
この忘れっぽい私が、10年も前に ほんの30分説法を聞いただけのお坊さんの顔を覚えていた(注:これは全然嫌なことじゃありません)のが、えらい驚きだった。
ちなみに、この番組の中でこのお坊さん(桂紹寿さん)は「忘れられない辛い過去は、忘れようとしたり思い出そうとしたりせずに 放っておきなさい」と言っていた。
忘れたいからと無理に忘れようとすれば、忘れようという気持ちに支配されてしまう。
心は水面のようなもので、石を投げれば波紋が広がる。
その波紋を鎮めようと 竿で突いたりすれば 水面はなおも乱れるし、放っておけば 波紋はおのずと静かになるもの。
今更悩んでも 過去は変えられない。
という 心に残るお話だった。
猫の記憶
納戸を掃除する際に、中のものを廊下に一時退避させました。
その中にはキャリーケースもありまして。
キャリーケースをしまわずに、出しっぱなしにしておりましたら・・・。
「むむっ、不審物発見」
ユズが近づいてきました。
「うーむ、これは・・・」
背後には、キャリーケースで寛ぐようになったら 儲けもんだワ、とこっそりのぞく 怪しい人影。
ふんふんふん。
「なんか嫌な匂いがするぞ」
入りそうでなかなか入りません。
ひとしきり嗅いだら、離れました。
過去の嫌な思い出が甦ったんでしょうか?
いざという時に蓋してそのまま病院へ連れていければ なんて、そうは問屋が卸しませんね。
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