胸を張れることじゃないが、私には根性がない。
根性がないので、体育の長距離走はただただ辛いものでしかなかったっけ。
ただいま作業中
ちょっと気合入れて、パソコン向かってます。
そういう時に限って、可愛いお嬢さんがやってくる。
冷たくあしらえないので、お嬢さんはやりたい放題。
あぁあ~、やめて!
画面が変になっちゃうよ。
今度は身を乗り出して、私の膝を見下ろしている。
この時点では、「キーボードに乗られるよりマシ」などと悠長なことを考えていた私。
アオイが窮屈にならないように、ちょっと椅子をうしろに引いてあげる。
小さな足をズボッと踏み外さないように、両膝をぎゅっとくっつける。
座布団を膝に乗せておけばよかったと後悔。
そしてアオイがずり落ちないように、かかとをちょっと上げて膝を水平に保つ。
お嬢さんのために、あれこれ細かい気配り。
すぐ降りてくれる時と、そのまま寝てしまう時があるけど、今日は寝る気分らしい。
むむぅ。
キーボードを打ちやすいところまで引き寄せる。
足がプルプルしてきた。
こういう時は、一応根性出します。
沢木耕太郎の本
私は通勤時間によくラジオドラマを聞く。
J-WAVEのラジオドラマで、沢木耕太郎の「凍」をやっていたので聴いてみた。
この「凍」は、世界的なクライマーである山野井泰史さんとその妻山野井妙子さんの、ギャチュンカン登頂の記録だ。
聴いていて、苦しかった。
その壮絶さに、何度か聴くのをやめようと思った。
吹雪、雪崩、氷壁、これらの想像を絶する困難の中に置かれたら、私にはきっと絶望しか見えないだろう。
あっけなく生を手放してしまうに違いない。
人間の強さって一体なんなんだ?と考えさせられた作品だった。
著者の沢木耕太郎の本は、何冊か持っている。
一番好きなのは、やっぱり「深夜特急」だ。
若い頃に読んで、バックパックを背負って世界中を旅することに憧れた。
でも憧れだけで終わった。
根性なし、体力なしの私にハードな旅は不可能なので、せめて本の中で世界を旅させてもらっている。
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