アオイ「今夜はひと仕事するわよ」 ユズ「がってんしょうちの助」
それぞれの侵入方法
アオイとユズを見るたび、どろぼう柄だなぁ、と思う。
アオイは灰色の手ぬぐいを頬かむりしたどろぼう猫、ユズは口の周りにオッサンヒゲを生やしたどろぼう猫だ。
どちらも人間が油断している隙に、鮮やかな手際で仕事してしまう。
アオイは頭が小さくてスリムだから、細くあいた扉などいとも簡単に通ってしまう。
すり抜けられないだろうと油断させておいて、目を離した瞬間ににゅるりと入るのが常套手段。
納戸などに侵入されてしまったら、見つけるのにひと苦労だ。
段ボールの隙間などに入ってしまうと、もう見失ってお手上げ。
ユズの方は力があるので、簡単に戸をこじあける。
まずは手を差し込んで少しスライドさせ、鼻や頭をぐいぐいと押し入れて開ける。
そしてお宝にまっしぐら。
盗っ人くんの大好物は豆苗だ。
オモチャの棚荒らし
その日の朝は、やけに猫たちが静かだった。
いつもは枕元をウロウロと歩き回り、起きろ起きろとうるさく鳴くのに、その朝に限って不気味な静けさ。
起きて階段を下りていくと、オモチャの入った引きだしが大きくあいていて、ひもがだらしなく垂れて下がっていた。
床には、ネズミやじゃらしがダイナミックに散らばっている。
いつもきちんと閉めてるのに・・・。
そういえばこの前、ユズがこの引き出しを開けようとしているのを目撃してやめさせたんだっけ。
あの時は今にも開けてしまいそうに見えた。
これもユズに仕業に違いない。
ユズが開けて、アオイと楽しくオモチャを堪能したんだろう。
リビングに入っていくと、2匹が殊勝な顔をしてソファに乗っていた。
神妙な面持ちのユズ。私の顔をじっと見ている。
アオイは相変わらず物怖じしてない。
尋問しても、すっとぼけている。
私は引き返してオモチャを仕舞い、引き出しを養生テープで固定した。
これ以来、オモチャは荒らされていない。
できれば現行犯でしょっぴきたかったな。
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