おむすび。今でも大好きです。
猫と暮らしていると、家の中は時々壮絶なことになります。
アオイ
アオイがうちにやってきてから半年の間は、食べられなくなっては毎月入院していた。
吐くのは日常茶飯事だった。
吐く頻度が増えてきて食欲がなくなり、そのうちお腹もこわして全く食べなくなる、の繰り返し。
買ったばかりのコタツの敷布団をウンコだらけにしてしまい、捨てたこともあった。
一度、もうダメかもしれない、と思うほどやせ細ってしまったことがあった。
歩くとフラフラするほど力がなくなっていた。
きっと意識も朦朧としていたんだろう、猫ベッドをトイレと間違えたこともあった。
この時は確か、退院してまたすぐ入院を繰り返して食欲増進剤の力も借りて回復した。
ユズ
ユズは吐かないけれど、ウンチが緩い子だった。
今でも、やわらかいウンチがお尻にくっついていることがある。
すぐに拭かないと、どこかで振り落とされたウンチを人間が踏んで悲劇が起こる。
トイレ掃除の後、ユズのお尻チェックは必須だ。
おむすび
おむすびは時々吐出したけれど、お腹を壊さない優等生だった。
でも歳をとり猫エイズを発症すると、頻繁にお腹を下して吐くようになった。
ある日帰宅すると、三太の座椅子が水浸しになっていた。
私は一足先に帰っていた三太に言った。「これなに?」
「おむすびが吐いたみたいだね」と三太。
私は目を疑った。
猫が吐くにしては大量すぎる。
仮に直前に水を飲んでいたとしても、こんな水浸しになるなんてあり得ないと思った。
それでも、現実は目の前にあった。
それまで毎日私たちをお出迎えしていたおむすびは、この頃にはもうお出迎えはしなくなっていて、狭いところに隠れていることが多かった。
過ごしやすい秋だったが、今思えばおむすびにとっては寒かったのかもしれない。
毛布のすき間に潜り込んでいたこともあった。
この日おむすびは、パソコン台にしていた低いテーブルの下に隠れていた。
三太が見つけ、「出ておいで」と声をかけた。
おむすびは出てこない。
三太が「悪いことしたと思ってるのかな?」と呟いた。
吐いたりトイレを失敗したりしたことで、怒ったことなど一度もないのに。
病気が手を伸ばしておむすびを連れ去ろうとしていた。
恨めしかった。
三太がおむすびの前足をつかんで、テーブルから引っ張り出した。
そして痩せてしまったおむすびを撫でながら、「おむすびは悪くないんだよ」と言った。
涙があふれて止まらなかった。
猫は時々失敗するけど、命の灯が消えそうになった時のそれは、失敗ではない。
それが生きるということなのかな・・。
猫は、いろんなことを教えてくれる。
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