おむすびがまだ外で暮らしていた頃、私は「この猫は男の人が好きなんだな」と思ったことがある。
誰かに甘えていると思って見ると、その誰かはいつも男の人だったからだ。
ご近所の息子さん
お向かいの息子さんの肩に、意気揚々と乗っているのを目撃したことがある。
彼は困り顔でなんとかおむすびを下ろそうとしていたが、おむすびは一向に肩から降りようとはしなかった。
野良時代、女の人に甘えているのはあまり見た記憶がない。
最初は三太が、うちまでついてきたおむすびにおやつをあげたりしていた。
私は無責任にノラ猫にエサを与えたくなかったので、時々「飼うの?飼わないんでしょ?」なんて言いながら遠巻きに眺めていた。
おむすびから距離を置いていた私は、ある夜庭でナメクジの捕獲をしていたところを(気持ち悪い話ですみません)おむすびに見つかり、エサをねだられた。
仕方なくおやつをあげたら、その日から私を見かけると寄ってくるようになった。
やがてうちの玄関で過ごすことが多くなり、お腹まで見せるようになったおむすびを見て、一時オトコ好きは撤回したのだが。
友人のダンナさま
おむすびを家族に迎えて少し経った頃のこと。
友人と食事に行って、車で迎えにきた友人のダンナさまに家まで送ってもらった。
「猫を見たい」と友人が言うので、ちょっとだけ会わせることにした。
おむすびのことだから、玄関まで出迎えにくるだろう。
予想通り玄関で私たちを迎え、見知らぬ友人夫婦にフレンドリーに挨拶した。
友人と私がまたおしゃべりで盛り上がっている間、あまり猫慣れしていないダンナさまにずっとスリスリしていた。
それを見ながら私は、やっぱりオトコ好きだと確信したのだった。
三太が大好き
そういえば、おむすびは私より三太と一緒に寝ることが多い気がする。
自分の寝相の悪さを棚に上げて言うのもなんだけど、複雑な気分だ。
「もしかして私は2番目」疑惑が頭をもたげてくる。
基本的に誰彼構わず甘える猫で、節操がないと思うこともあるが、それでおむすびがゴキゲンなら、まぁそれに越したことはないんだろう。
そして私は2番目だろうと、3番目だろうと(多分それはないけど)、結局はなんでもいい。
私にとっておむすびは世界一の猫だから、それだけでいい。
おむすび編87に続きます
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