猫とビー玉

猫に振り回される幸せとドタバタ日常。自作のヘタ漫画をまじえて綴っていきます

おむすび編12. ノラ猫おむすびが私にかけた魔法

 

うちの玄関先に住みついたおむすびは、私に慣れてお腹を見せるようになりました。

それまで猫のお腹を撫でたことのなかった私。こわごわ撫でておりました。

 夕方のゴハン

 

いつものように仕事からの帰り我が家に近づいたあたりで、お向かいさんの玄関に座っているおむすびが見えた。
遠目でも私のことがわかるのか、おもむろに立ち上がって道路に出てくる。
鳴きながら私のあとをついてきて、うちの玄関までやってくる。


一通り撫でたり話しかけたりして、お楽しみのカリカリをあげる。
食べ終わると、また甘える。ゴロンと寝そべり、おなかを見せる。
玄関汚いのにな、と思いつつおなかを撫でていると、気持ちがいいのかうねうねと体を左右によじっている。


そのあとはブラッシングだ。
最近ブラッシングを始めて、ボサボサしていた毛並みが少しづつきれいになってきた。
最初は際限なくとれていた大量の毛も、今ではブラシに引っかかる毛量が目に見えて少なくなり、ブラッシングのやめどきがわかるようになってきた。


玄関の前でそんな風におむすびと過ごしていると、家の前を親子が通りかかり、小さな子供が「あ!あの猫だ!」と指さしたりする。
この猫はこのあたりでは有名なんだな、と改めて気づかされた。
そして多分人気者だ。


だけど例え有名で人気者であっても、日が暮れて夜が近づけば人々は背を向け、それぞれの家に戻りドアを閉ざす。
少数の人にしか愛されない者と、多くのものに好かれる人気者。
選ぶとしたらどっち?
私なら迷わず、人気はなくても限られた人に深く愛される方を選ぶ。

 

おむすびが私にかけた魔法

 

ブラッシングを終え、私は立ち上がり伸びをした。
道に出て、三太は今日も遅いのかな?と思いながら遠くに目を凝らす。


その時、ふわっとした暖かいなにかが、私の足下にくっついたのがわかった。
見下ろすと、おむすびが私の足にぴったりと寄り添って座り、私を真似するように通りの向こうを見やっている。

 

足元に寄り添う猫


その時、私の心の中で長い年月をかけて堅く絡まった糸のようなかたまりが、溶けるようにゆるゆるとほどけていくのを感じた。


足元には、生きるのに必死で、ひたすら健気で、エサをくれる私をまっすぐに信じて、ぴったりと寄り添う猫がいた。
なんの理屈もない。

心を打ち抜かれる、とはこういうことなのかと思った。
生まれて初めて味わった感覚だった。


思わずしゃがんで、手のひらにすっぽり隠れてしまいそうなその小さな頭を撫でた。その頭は暖かくて、撫でると耳がピクッと動いた。

小さな体だけど、ずっしりと重い命だ。

日を追うごとに、おむすびのそばを立ち去り難くなる自分がいた。

 

おむすび編13に続きます

  

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