おむすびは人が大好き。
私はそれを長所だと思う。
おむすびがうちにやってきて数か月後のこと、友人たちがおむすびを見たいと言うので、どうぞどうぞいらっしゃいと招待した。
友人の訪問
その友人ふたりがうちにやってきた。
予想通り、逃げも隠れもせず出迎えるおむすび。
ノラ猫をうちの猫にしたんだよという私の言葉から、彼女らはいかにもノラっぽいイメージの、外でよく見かけるような猫を想像していたらしい。
実際おむすびを見て「アメショー?」と、びっくりしていた。
当時の私は猫の種類なんか知らない人間だったので、おむすびがアメショーだろうが茶トラだろうが、なんだろうが同じだった。
ただ、私に懐いた可愛い猫、それだけだった。
ふたりをリビングに招き入れると、おむすびがソファに乗ったのでそれを彼女たちがとり囲む。
なでられたり、肉球を触られたりしてモテモテだ。
普段肉球を触られるのはあまり好きじゃないが、我慢してる?
とてもいい子にしている。
おむすびのホステスぶりに私は感心した。
脳裏を「猫カフェ経営」の野望がかすめる。
おむすびなら人気ナンバー1ホステスになれるんじゃないか?
フレンドリーさはハナマルだけど
なにはさておき、まずはおむすびのゴハン。
見知らぬ人がいても、全く動じることなくいつも通りゴハンを平らげた。
お茶をいれて、ふたりに「こたつに入ってよ」と声をかけた。
女3人で、こたつに入っておしゃべり。
その間、おむすびは友人たちのカバンチェック。
スリスリはやめておきなさい。
そのあとはコタツに乗って歩き回るし、友人にお尻を向けるしでやりたい放題だった。
そして友人Aの膝に乗った時は、私も友人Bも「なんで私の膝じゃないの?」と声を揃えて言った。
お世話係である私の顔は丸つぶれ。
でもいいんだよ、そこが長所なんだから。
友人Aは以前犬を飼っていただけあって、おむすびは友人Aに顔を掻き掻きされると気持ちよさそうに目を細めた。
ゴロゴロ言っている。
仕事の話で盛り上がっていたら、突然友人Aがおむすびの口のあたりを指さして私に聞いた。
見るとおむすびの口の下で、透明なキラキラ輝く小さな雫が光っている。
おむすびはゴロゴロ言う時、口の閉まりが悪くなるのか、ちょっとよだれが出るのだった。
よだれだよ、と言うのがはばかられて「なにかねぇ?ハハハッ」と笑ってごまかし、素早くティッシュでささっと拭き取った。
おむすびよ、
君には、猫カフェのホステスは無理かもしれないな。
おむすび編104に続きます
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